鉄瓶って素敵ですよね。
電気ポットでもステンレスのケトルでもなく、淡く黒い南部鉄器の鉄瓶。
でも買ったばかりなのに、鉄瓶をさびさせてしまったら元も子もありません。
「鉄瓶は使って育てる」というぐらい、使い込むほどお湯が柔らくなり味がぐっと良くなります。
朝に鉄瓶で淹れた白湯をとることで、貧血予防にもなると聞いた事があるので、使い込んだ鉄瓶でいただきたいですよね。
それでは、錆びてしまった鉄瓶をどのようにすればいいのか?
そして、良い育て方として「湯垢」の付け方について調べてみたはなしをします。
今回はとって詳しくて分かりやすい「火鉢の道具店 / HIBACHIYA」さんのホームページで勉強させていただきました。
目次
鉄瓶のさびの取り方
鉄瓶の『外側』が錆びたときの対処法
鉄瓶の表面が熱いときに、緑茶をしみこませた布で鉄瓶の表面をポンポンと叩いてあげます。
すると赤くなった鉄瓶の表面が黒くなり、目立っていた点々の錆もわからなくなっていきます。
「お茶でポンポン」は、緑茶に含まれるタンニンが鉄と反応してタンニン鉄を作ります。
このタンニンが黒く、またタンニン鉄が鉄瓶の表面の錆を押さえる効果があります。
なお、通常は考えられないことですがそれ以上の錆、たとえば何十年も物置に放置してあったような古い鉄瓶で、表面の錆が浮き上がる程錆びていたとします。
これは「お茶でポンポン」ではどうにもなりません。
修理が必要になります。
鉄瓶の『内側』が錆びたときの対処法
さて、問題は内側のさびですよね。
お湯を沸かして、注ぐと薄っすらと赤いお湯が出たら困りまりものです。
先の外側の時は口にしないので、あまり気にしなくて良かったのですが、さすがに内側になりと気になりますよね。
内側のさびなんて、ヤスリなどでゴシゴシすることもできません。
ここでも、緑茶の葉を使ったさびの取り方です。
鉄瓶の『内側』のさびの取り方
- 緑茶の葉を不織布に入れたものを鉄瓶の中にいれる。
- 水を鉄瓶の八分目までいれて煮出す。
- 最低でも30分沸騰させる。可能なら8分目のお湯が2分目になるまで沸騰。
- お湯が2分目をきるくらいになったら一度中のお湯をすてて、また水を八分目までいれる。
- このお湯が沸騰して、また二分目になるまで沸騰させ続ける。
- この1〜4の処理を3回繰り返す。
- 緑茶は出がらしでOK。 緑茶のタンニンと錆が反応して、タンニン鉄が生まれます。鉄瓶の着色料は、そもそも水瓶に鉄を入れて赤くするか、そこに緑茶を入れて黒くするかで作ります。鉄瓶本来の黒は、緑茶で作れます。そして大概はこれで赤さびは止まり、お湯が赤いのも止まります。
このさびの取り方では無理な、ヒドイさびについては修理が必要です。
先の外側のさびの修理も合わせて、参考にさせていただいている「火鉢の道具店 / HIBACHIYA」さんのホームページのこちらで相談してみてください。
湯垢を付着させる方法
鉄瓶は使っていると鉄瓶の内側に湯垢(ゆあか)がつきます。
この湯垢は、鉄瓶でお湯を沸かし続けていると水の中に含まれるカルシウムなどの成分が付着して付きます。
この湯垢が付くことで、鉄瓶の内側が錆びにくくなり、またさらにお湯がまろやかになります。
おろしたての鉄瓶でお湯をわかしても、お湯の柔らかさをあまり感じない人も居ます。
そのうち鉄瓶に湯垢がついてくると、このお湯のまろやかさをより一層感じるようになります。
では、お持ちの鉄瓶の湯垢はどうやって、さらにいえば、なるべく早く付けたらよいのでしょうか。
鉄瓶の湯垢は、鉄瓶を使い始めた最初の数週間が肝心です。
使い始めの鉄瓶の内側には酸化皮膜というものができています。
これが錆を防いでくれます。
この酸化皮膜が残っているうちにお湯を沸かして湯垢を付けていきます。
鉄瓶になるべく早く、そして簡単に湯垢を付けるためには、鉄瓶の使い始め、最初の2~3週間程度は毎日使いたいところです。
その場合、浄水器でろ過した水よりも、カルシウム分の多いミネラルウォーター、もしくは井戸水をつかうと湯垢のつきが早いです。
よく湯垢がつくと鉄瓶の中が白くなると言われますが、使い始めの1ヶ月で完全に白くなることはありません。
でも、きちんと使っていれば湯垢はついているものですので、がんばって使い続けてください。
そのうち鉄瓶に完璧な湯垢がつくと、鉄瓶の中が本当に白くなります。
それこそ真っ白になるものもありますが、そこまでの湯垢とつけるにはかなり時間がかかります。
毎日4~5時間お湯を沸かして1年かかるかもしれません。
でもそこまで鉄瓶の中が白くなると見事なことで、そしてとてもおいしいお茶がいただけます。
鉄瓶の効果
朝起き上がるのがつらい、疲れやすい・・・。
そいうった症状は、貧血から起きていることもありえます。
貧血の80~90%を占めるのが、鉄欠乏性貧血なんです。
ここを訪れてきたくれた方には、鉄分不足をキッカケに鉄瓶を買われた方も多いのではないのでしょうか。
そこで南部鉄器で調理をすると鉄分が少しずつ溶け出し、食材や水分に鉄分が移り、それを食べたり飲んだりすることによって、簡単に鉄分補給が可能だったこともよく言われます。
その溶出する鉄分のほとんど(80~95%)が人間の身体に吸収されやすい「二価鉄」と呼ばれるものです。
鉄分には「二価」と「三価」がありますが、人体に吸収される時には「二価」として吸収される仕組みになっています。
つまり、「消化」という段階を踏まずに、素早く吸収されてゆきます。
これにより、継続的にお使い頂ければ貧血予防や改善に効果あることが明らかになっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は鉄瓶のさびの取り方についてのはなしでした。
合わせて、湯垢の付け方と鉄瓶のメリットについてもおはなしさせていただきました。
正直、鉄製なので錆びやすいので管理が大変です。
でも、逆にそれ以上にお湯が本当においしいです。
これでお茶を淹れると、とっても美味しいのですが一番のオススメは白湯です。
白湯の温度は50~60℃ぐらいで飲むと、お湯のまろやかさがハッキリと分かります。
ぜひ、お試しください。