先日のこと、親戚の法事にお寺でお経を唱えるあいだ、ずっと正座をしていたら足がしびれてしまって、立てなくなってしまいました。
私もいい大人なのに、叔母や姪に笑われて恥ずかしい思いをしてしまいました。
まったく、今はなかなか正座をする機会が少ないので、いざそういった事に遭遇すると足がしびれて大変ですよね。
今回はそんな、正座でしびれない裏技やしびれてしまったら、どうやってそのしびれを早く取るのかを調べてみたはなしです。
目次
足がしびれない正座の裏技
足がしびれない正座は、正しく、見た目も美しい正座です。
まずは、ここで正座の仕方から学んでみましょう。
美しい正座の仕方
正座とは、膝から足の甲までを床につけ、膝を曲げてかかとの上にお尻を乗せる座り方です。
それが簡単そうで、きっちり座ることは意外と難しいものです。
よく、お茶の先生やお坊さんの座る姿がとても美しく見える場合があります。
そんな正座に憧れてしまいますよね。
ここでは、「美しい正座の仕方」を学んでみましょう。
美しい正座のポイントは4つ
重心は前に、背筋はピンと、足の親指は重ねる、手は太股の付け根と膝の間
1.座る時に、かかとの上とお尻の間に紙を1枚挟むように、重心を前に意識して体重を落とします。
2.その時に上半身を上に引き上げるように、背筋はピンと伸ばす。
3.膝同士は「ぴったりつける~握りこぶし1つ分」開き、両足の親指は重ねる。
4.手の位置は肘を垂直におろすようにし、太股の付け根と膝の間に重ねず、ハの字におく。脇は閉じる又軽く開く程度にする。
補足事項
・親指同士が離れないようにしてください。
・片方の親指が他方のかかとより外に出ないようにしてください。
・スカートの場合は、お尻の下にスカートを敷くようにします。
・辛くなりましたら無理はせず足を崩して下さい。
足がしびれない正座の方法
正しい姿勢の正座だったら足はしびれにくいのですが、もう少しここでは詳しく、正座をした時にしびれにくくなる方法の紹介をします。
◆少し重心を前にする
重心を前にすることでかかと、足の甲に体重をかけないようにします。あごを引いて背筋を伸ばすと重心が少し前になります。普通は太ももの上に手を置きますが、少し前の方に手を置くとしびれにくくなります。
◆かかとを開いて座る
かかとを開かずに座ると速くしびれます。しかし、かかとを開けるとO脚の原因になります。無理にかかとを開いてもしびれやすくなりますので、体の堅い人は普段からかかとを開いて正座をする練習をしておきましょう。
◆足の親指を少し重ねる
一般的には足の親指を重ねる程度が一番良いと言われています。重ねないでも深く重ねすぎてもしびれやすくなるので注意して下さい。個人差があり深く重ねた方がしびれにくい人もいる為、自分に適した座り方をしましょう。昔は上にする方の足は男性は左、女性は右となっていましたが、今はありません。親指を重ねるとO脚の原因になります。また、足の親指を重ねることによりかかとを開きやすくなります。
◆膝頭を少し開ける
膝頭を少し開けるとしびれにくくなります。あまり開けなくても少し離れているだけで十分です。
◆座布団を使う
座布団を使うと、足がしびれにくくなります。あまりやわらかすきる座布団より少しかたい目の方がしびれにくいです。少し足を座布団から出すように座るとしびれにくくなります。
◆前後左右に体の重心を移動させる
膝裏から足首にかけて、ずっと一点に重心かけるとしびれてきます。体重移動をさせることでしびれにくくなりますが、周りには悟られない程度にゆっくり、静かにやりましょう。
◆服装による違い
足や体を締め付けるデニムパンツやタイトスカートは、余計に血行を悪くするため好ましくありません。
◆正座用の椅子を使う
市販されている正座用の椅子を使います。出来るだけ目立たない携帯用がいいでしょう。これならかかとにお尻を乗せないためかなり楽に座れますが、少しずつしびれてきます。
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【引用:日本正座協会 】
しびれた足を早く治す方法
後ろ向きに歩く
まずは、ゆっくりと立ち上がります。
立ち上がることで血行が良くなり無感覚の状態が多少解消されます。
次にゆっくり、後ろ向きに2~3歩あるきます。
最初は一歩を踏み出すのがつらいかと思いますが、背筋が伸びて血行が良くなりしびれが改善されるのです。
跪坐から立つ
立つのがつらい方には、跪坐がおススメ。
跪坐とは、つま先を立て、膝を折った上に腰をおろした姿勢をいいます。いわゆる正座のつま先を立てたような姿勢です。
立つ1~2分前から跪坐をするとよいのだそうです。
よく、剣道や柔道など武道で見かける姿勢ですよね。
ツボを押す
症状が軽い場合は跪坐や後ろ歩きで解決しますが、立つことすら困難な場合はツボ押し解消法をおススメします。
鍼灸師が教える。正座で足がしびれた! ときに効くツボです。
◆ツボ・足三里(あしさんり)を指圧する
足の疲労、筋肉痛などの症状のみならず、腰痛、胃痛、便秘、下痢から精神不安など、全身の諸症状に効くことで知られる特効ツボです。正座をしているときにここを刺激しておくと、血行が促され、立ち上がる際のしびれ感が軽減されるでしょう。
ツボの位置
膝を立てて、弁慶の泣き所と言われる向こう脛(正式には脛骨という膝から下の真ん中の大きな骨)に沿って親指で軽く下から擦り上げていき、骨の膨らみにあたり自然と指が止まる所をまず目安にします。そしてその部の外側にご自分の親指の幅だけ離れた所です。
【画像引用:履正社医療スポーツ専門学校】
ツボの刺激法
ひと押し5秒~20秒を数回、押しやすい指でグッと強めに刺激します。立ち上がってから押すときは、ぐるぐると回すように指圧します。
◆ツボ・委中(いちゅう)を指圧する
鍼灸師が教える。正座で足がしびれた! ときに効くツボ
「委」とは、「曲がる・ゆだねる」、「中」は「中央」を表し、つまりひざの裏の曲がり目の中央を指します。足のしびれ、こむら返り、ひざの痛みなど足の諸症状全般と、腰痛、坐骨神経痛に効きます。
ツボの位置
ひざの裏の横じわの真ん中。触れると脈の拍動を感じます。
【画像引用:履正社医療スポーツ専門学校】
ツボの刺激法
力を入れすぎないように、指先数本でさする、なでるようにします。正座中は、時折、ひざの関節の裏側に指を指し込んで、このツボに触れるようにします。足を崩せる場なら、立ち上がる前に、ここから足首にかけてグーでマッサージをすると血行が促されて楽になります。
◆ツボ・解渓(かいけい)を指圧する
鍼灸師が教える。正座で足がしびれた! ときに効くツボ
解は「解く、ほどく」、渓は「谷」を意味し、足首までと足先の境目を指します。足の血流、全身のリンパを促してむくみやしびれを改善します。足首のねんざや関節炎、また、スポーツなどオーバーワークでふくらはぎがこわばったとき、ジョギング中の休憩時などにここを指圧すると疲労が軽減されます。
ツボの位置
足首の前、中央のくぼみ。足首をすねに向かって曲げたときにできる2本の腱(けん)の間にあります。
【画像引用:履正社医療スポーツ専門学校】
ツボの刺激法
正座から立ち上がる前につま先を立て、かかとの上に腰を落とします。その状態で、このツボを中指などの指先でひと押し5~10秒の指圧を繰り返します。誰かといるときはこの姿勢で雑談をして時間をかせぎましょう。可能なら、両足を前方に伸ばして足首を上下に曲げ伸ばすストレッチも有効です。
なぜ、正座は足が痺れるのか?
足がしびれるとは
慣れない正座をしたら、足がしびれた。これはほとんどの人にある経験かもしれません。
私たちは、しばらくの間、正座のように足(腕も同様)を圧迫する姿勢をしていると、その部分が麻痺して感覚がなくなっていきます。何も感じなくなることから、英語では、手足がしびれることを「sleep(眠る)」と表現されます。
そして、姿勢を変えようと手足を動かした途端に、まるで手足が眠りから覚めたかのようにチクチクとした痛みを感じ始めます。
このとても奇妙な体験のことを「足がしびれた」といいます。
足がしびれると感覚がなくなる理由
足がしびれたときのなんとも言えない嫌な痛みは、体の神経が少し混乱しているために生じるのです。
人の体は、心臓から血管と呼ばれる細いチューブを通って、体の隅々まで血液が送られています。体の循環システムによって、血液が手足の先まで行き届くのはとても重要なことで、それによって体の各部位は正しく働くための酸素やエネルギーを得ています。
しかし、腕や足を圧迫する姿勢が長く続くと、血管が圧迫されて血液が通る道が小さくなり、それより先に血液が届きにくくなってしまいます。
十分な血液が行き届かなくなると、その部分の感覚は失われていきます。
何かに触れたときに、「感じること」ができるのは、体中にある神経のおかげです。
物を拾ったときや、冷たいか熱いものを触ったとき、また、痛みを生じさせる何かに触れるたびに、これらの神経は、触れたものについての情報を脳に伝えるメッセンジャーのような役割をします。
しかし、この働きがうまくいくのは、神経が十分な血液を得ている場合のみです。
そのため、血のめぐりが悪くなるにつれて、感覚神経の麻痺が徐々に強くなり、最終的に無感覚の状態になるのです。
さらに、運動をつかさどる神経も麻痺すると、手足をうまく動かせなくなっていきます。
しびれた足を動かすと痛い理由
姿勢を変えて、しびれた足を動かすと、血管が圧迫から解かれるので、急に多くの血液が流れ始めます。すると、機能が停止していた神経は再び目覚めます。
しかし、目覚めたばかりの神経は少し混乱を生じています。正直、どんな感覚かを理解しないまま、痛いはずはないのに、痛みの信号を脳に送ってしまうのです。
そして、しばらくして血流が安定してくると、神経の働きも正常に戻ってきます。
【参照元:Why Is My Leg Asleep?】
まとめ
今回のはなしは、正座と足のしびれについてでした。
いままで、ただ根性で足のしびれと戦うものだと思ってました。
それは間違いで、正しい姿勢で正座をすればしびれる事が少ないってことが分かりました。
たしかに、正座が美しい姿勢の人は涼しい顔で素敵ですよね。