心拍数と寿命の関係は嘘? 象は長生きネズミは短命の根拠は?

こんなことを聞いたことはありますか?

象は心拍数が少ないので長生きで、ネズミは心拍数が多いので短命だとか。

初めて聞いた時は、へ~なるほど!なんて思ったのですが、さらによく聞いてみると動物の一生は心拍数に限りがあるってことだそうです。

でもそれって、本当なのでしょうか?

そうなると、心拍数の多いスポーツ選手は短命ってことになってしまいますよね。

じゃあ、健康のために運動するってヤバイってことですよね。

そんな矛盾を思いながら、今回のはなしは心拍数と寿命の関係が、ホントウは嘘か本当か調べてみました。

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目次

心拍数と寿命の関係

心臓の役割はご存知の通り、血液を体全体に送るためのものですよね。

そこで、もし心臓が止まれば鼓動も止まり、血液が体中に巡らなくなって、からだの機能が止まってしまいます。

それはどういう事かというと、体内にあるそれぞれの器官の働きを助ける栄養を含んだ血液が送れなくなってしますよね。

そうしたら、肺で酸素を取り入れることだったり、脳が体の機能に命令しなくなってしまい、そして死んでしまいます。

心臓は筋肉の塊で出来ていて、複雑な動きをします。

その心臓筋肉の疲労劣化、簡単に言えば心臓もたくさん使うと壊れてしまうって、一部学者の間では考えられているようです。

果たして、そんな単純なことなんでしょうか?

ゾウもネズミも人間も15億回心臓打てば寿命

個人差があるとしても人類の心臓の鼓動(以下心拍数と記述)の回数は15~20億回が限度という説を唱えている学者がいます。

これは哺乳類は、共通していると言っています。

例えば、心拍数の多い小動物のネズミは2~3歳、心拍数の少ないゾウは40~50歳と言われます。

それを人に例えると、心拍数が60回/分の人は
15~20億回 ÷(60回/分×1,440分/日)÷ 365日/年=47.6~63.4歳
が寿命ということですね。

これは米国での長寿者の研究のはなしです。

75歳以上、生きた人は75歳未満で亡くなった人に比べ、血圧がやや低めで、心拍数が平均65回に対して毎分12回少なかった(53回/分)と言うデータがあります。

また、哺乳動物の体重と心拍数には相関関係があるとした表があります。

心拍数が有限だとすると、この図から体重が重いほど寿命が長いと言うことになります。

しかし、実際に人はこの図の通りにはいきません。

例外として、医学の進歩や、栄養状態の改善が考えられるからだと思います。

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結局、心拍数と寿命の関係は嘘なのか?

一部、心臓の専門医はこの説に懐疑的なようです。

また逆に当てはまる部分も多く、認めているところもあるようです。

これは、ある内科の先生の話しですが、「弱った人の心拍数は上がります。」

心臓の機能が低下した人は心拍数が早くなる傾向があるそうです。

また、何らかの原因で120/分以上の頻拍が持続するといずれ、心臓は疲弊して心不全になることが分かっています。

それを、心機能が低下して脈が上がっている人に、心拍数を遅くする薬を与えると寿命が長くなることが確認されています。

ただ、その薬を正常人に心拍数を遅くすると、寿命を延ばすかどうかは明らかではありません。

また、心拍数は遅ければ遅いほど良いというわけでもないようです。

極端に脈拍が遅いのでは、全身に必要な血流が確保できなくなり、全身倦怠感やめまいなどの原因となってしまいます。

最低どのくらいの心拍数があればいいかというと、血圧と一緒でひとそれぞれなってしまいますが、一般に安静時40-50/分ぐらいは必要と考えられます。

また、心拍数の増減は自律神経に左右され、運動やストレス、緊張で交感神経が優位になると脈拍が上がります。

一方リラックスして副交感神経が優位だと脈拍が下がります。

じゃあ、具体的に脈拍を上げる主な要因はなんでしょう。

それは①喫煙②肥満③高血圧④糖尿病です。

いずれも自律神経のバランスを崩しやすい。

脈が速いから短命になるのではなく、速い人は生活習慣病を抱えているケースが多く、結果的に死亡リスクが上がるのだろう、ということです。

〈結論〉

脈が速いから短命ということではなく、速い人は生活習慣病を抱えている人が多く、結果的に死亡リスクが高まりす。

予防策として、運動などで体を鍛えていると、少ない心拍数で日常生活が間に合うようになり、運動不足だとすぐに心拍数が早くなるようですね。

そのためにも、長生きするためには運動が必要だということかもしれません。

【参考文献:中公新書『ゾウの時間ネズミの時間』】

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子供時間と大人時間

ここで面白い話しですが、1日の時間が子供の頃って長く、大人になると短いですよね。

その事って、この今回のはなしと関係があるんのです。

年齢 心拍数(/分)
新生児 140 回
乳児 120 回
幼児 110 回
学童 90 回
成人 70 回

上の表は子供と成人の心拍数です。

生まれたばかりの赤ん坊は、エネルギー消費量(体重あたり)が非常に大きい為、心拍数も成人の倍です。

新生児のエネルギー消費量は成人するまでどんどん減っていきます。

確かに、子供の頃とくらべて歳をとると、1年があっというまに早く過ぎてしまいますよね。

その理由は、生物学的時間からすると大人はエネルギー消費量が少なく、時間は遅いことになり、心拍数も少なくなります。

子供は生物的時間が早いため、1日という物理的時間の間に多くのことを学んだりすることができます。

だから振り返れば、子供は1日が長かったと感じるし、逆に歳をとるとエネルギー消費量が減り、1日に学ぶことの量も減ってしまいます。

なので、1日の内容は子供と比べても学習が少ないので、あっと言う間に一日が過ぎたように感じてしいまうと言うわけなんですよね。

そういったことから、大人が1日を短く感じてしまうのだというのが、説明はつくんじゃないでしょうか。

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まとめ

いかがでしたか、今回のはなし。

心拍数と寿命は関係することは、単純には言えない事が分かりましたね。

しかし、病気などで自律神経のバランスを崩すことで、心拍数があがりいづれ死亡リスクが上がることも間違いないようです。

あと、平常時でも心拍数を上げないためにも、日頃から運動をすることで心臓を強くすることも大切だと分かりました。

これらの事から、なるべく運動とストレスを感じない生活をして、心臓に負担を掛けない事が良いという事ですよね。

それは、人間だけでなく、他の哺乳動物も同じ事ですよね。

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