なんだか最近、いつもより足が腫れぼったい。
いつもより、足が突っ張る感じがする。
そんな症状も健康体なら、マッサージなどでむくみを取れば何も問題はありません。
しかし場合によっては、その足のむくみは、何らかの病気のシグナルかも知れないです。
今回は、そんな足のむくみの症状によって、何科で受診をしたら良いのか調べてみたはなしです。
ちょっとでも、気になりましたら、直ぐにお医者さんに相談しましょう。
目次
1.足のむくみで病気を疑ったら、何科で受診をするのか?
一口に足のむくみと言っても、原因はいろいろあります。
それが一時的なものでなく、むくみが常に続いている場合、病気が隠れている可能性があります。
そんな足のむくみが気になる場合、何科を受診すれば良いのでしょうか。
ここでは、その症状と受診先を紹介しますので、疑わしいようであればお医者さんへ相談してください。
深部静脈血栓症が疑われる場合 ⇒血管外科
深部静脈血栓症とは、長時間同じ姿勢でいる事によって足の静脈に血栓が生じてしまう病気です。
足のむくみやズキズキした痛み、片足だけに症状が現れるといった特徴があります。
皆さんの身近なところで、長時間飛行機に乗って起こるエコノミークラス症候群がこれにあたります。
最近では、災害時の避難所生活でも、起きやすいことがわかってきています。
この症状が気になるようでしたら、血管外科で診察をしてみてください。
心不全が疑われる場合 ⇒循環器内科か心臓内科
心不全とは、心臓の機能が低下して、血液循環がうまくいかなくなり、様々な症状を引き起こします。
循環が悪くなる事で血液が滞りむくんできますが、他には息苦しかったり、運動で胸の痛みが生じたりする症状もみられます。
この症状が気になるようでしたら、循環器内科または心臓内科で診察をしてみてください。
腎不全が疑われる場合 ⇒腎臓内科
腎臓は、血液から老廃物や不要な電解質をろ過して、尿を作る働きをしています。
腎不全とは腎臓の機能が低下している状態で、本来尿として排出されるはずの水分や電解質がたまってしまう状態で、全身にむくみの症状が現れることもあります。
このような症状が見られるようでしたら、腎臓内科で受診をしてみてください。
肝不全が疑われる場合 ⇒消化器内科
肝臓の働きは以下の3つがあります。
・体に必要な蛋白の合成
・栄養の貯蔵、有害物質の解毒分解作用
・食べ物の消化に必要な胆汁の合成・分泌
肝不全とは肝炎ウィルスの感染やアンコールの多飲などによって肝臓の機能が低下した状態です。肝不全によってむくみわ身体のダルさ、黄疸などの症状が現れる事があります。
このような症状が感じられるようでしたら、消化器内科で受診をしてみてください。
他にもリンパ管に問題があったり、甲状腺に問題がある場合もあるので、慢性的にむくみがある場合は早めに医師の診断を受ける事が大切です。
それぞれ専門の科で診てもらう事をオススメしますが、最初は自分では原因がわからないかと思うので、まずは内科を受診するのが良いでしょう。
2.足のむくみの発生メカニズムと原因
①むくみ発生のメカニズム
足のむくみが起こるメカニズムとして、次の5つがあげられます。
足のポンプ作用の低下
心臓から血液が全身に送られますが、動脈を通って末梢の毛細血管まで運ばれます。そして、体中の組織に酸素や栄養素を送った後、血液は静脈を通って再び心臓へ戻って来ます。しかし、足に運ばれた血液は重力に逆らって心臓まで戻らなければなりません。その際に足の筋肉、特にふくらはぎの筋肉が収縮する事でポンプのような働きで、心臓まで戻る事が可能となるのです。
また、足の静脈には血液が逆戻りする事を防ぐための弁があり、これによって効率よく心臓まで戻す事が出来ているのです。
そのため、全く動かないでふくらはぎの筋肉が収縮をしない時間が続いたり、足の静脈の弁の機能にトラブルが生じると血液が足に滞りやすくなります。
これがむくみが生じるメカニズムなのです。
血管内の圧上昇
静脈内の血液が流れる圧が上昇すると、血管から外へしみ出す水分量が増加します。
ろ紙を使ってろ過するのをイメージするとわかりやすいかと思います。水の勢いが強いほどろ紙からしみ出る水分は増えるような感じです。水分を過剰に摂取するとこのような原因でむくみが生じます。
また塩分は水分を取り込む性質があるため、塩分の取りすぎも同じようなメカニズムでむくみとなります。
浸透圧の低下
血液内の栄養素が低下すると血管内に水分を保っておくための力(浸透圧)が低下します。
そのため血管外に水分や塩分が増えてむくみとなります。
血管透過性の上昇
血管と血管の外との出入りやすさが高くなる事が血管透過性の上昇です。
なんらかの病気で、血管透過性が上昇する事で血管内に水分を保っておく事が困難になりむくみとなります。
リンパ管の閉塞
血管からしみ出た水分はリンパ管という管に吸収されて心臓近くの静脈角という場所で静脈に流入します。
リンパ管は全身に巡っていますが、その流れが閉塞などによって停滞すると水分が滞りむくみとなります。
②むくみ発生の原因
一時的にむくむ場合のほとんどは生活習慣が原因で生じます。
慢性的にむくみが生じている場合は何か病気が潜んでいる場合があるので病院に受診する事をおすすめします。
以下にむくみの原因について解説していきます。
長時間同じ姿勢をとっている
先ほどむくみのメカニズムで説明しましたが、足に溜まった血液は重力に逆らって心臓まで戻らなければなりません。立ちっぱなしや座りっぱなしが続く事で、ふくらはぎの筋肉が働かず血液が足に滞り、むくみやすくなります。
運動不足
運動不足により足の筋肉が衰えたり、筋力が不足する事によって、心臓に戻すポンプ作用が低下してむくみやすくなります。
水分や塩分を摂取しすぎる
水分を過剰に摂取すると体の中に水分が蓄積されてむくみやすくなります。塩分を過剰に摂取する事で、水分を欲するようになり、結果水分を過剰に摂取する原因ともなります。
また塩分は体内に水分を溜め込む性質があるため過剰摂取はむくみの原因となります。
アルコールの過剰摂取
アルコールには血管の透過性を高める作用があります。そのため過剰に摂取すると血管から水分が滲み出やすくなりむくみの原因となります。
冷え
足が冷えと血管が収縮してしまい、血流が悪くなります。そうする事で足に血液が滞りやすくなりむくみにつながります。
3.足のむくみの取り方
足のむくみの改善方法を紹介いたします。
一時的に生じるむくみで日常生活が原因である場合に効果的です。
病気が潜んでいる場合は根本的な治療をする事が改善に有効となります。
足のマッサージ
むくみ解消にはマッサージが有効です。
方法としてはまず足の付け根部分をさするようにマッサージをします。
足の付け根部分をさするようにマッサージ
次に太ももを膝上から上に向かって皮膚の表面をさするようにマッサージします。
その後ふくらはぎを下から上に向かって皮膚の表面をさするようにマッサージします。
※ポイントとしては強さは皮膚をさする程度の強さで行う事です。強い刺激だとリンパの流れが悪くなります。
リンパの流れを良くするには下から上にマッサージを行う事が重要です。
弾性ストッキングを利用する
むくみ防止として弾性ストッキングを履くことも有効です。
ストッキングの適度な圧が循環を促進する事でむくみ解消の効果が期待できます。
足を上げる
寝た状態で足を心臓よりも高い位置に上げておく事で、血液が心臓に戻るのを促進する事ができ、むくみ解消の効果が期待できます。
体操をする
体操を行う事で第2の心臓と呼ばれるふくらはぎの筋肉が収縮し、足の循環が促進されてむくみを改善する事ができます。また、立った状態でのつま先立ちを意識してすると、より効果的です。
入浴をする
入浴する事で水圧が足にかかり、適度なマッサージ効果が得られ足の循環か改善されます。また温熱効果で血液循環が促進される事でもむくみ改善の効果が期待できます。
生活改善
水分や塩分、アルコールを多く摂取する習慣を改善する。
長時間同じ姿勢をとらないようにするなど、生活習慣を改善する事もむくみ改善に有効となります。
まとめ
いかがでしたか、今回のはなし。
身近に起こりやすい足のむくみですが、様々な事が原因となっています。
生活の中で予防することも可能なので是非とも実践してみて下さい。
慢性的にむくみが続いている場合は早めに医師に相談して下さいね。