大型連休前に必ず話題に上がるのは、高速道路と新幹線の混雑予想です。
また、その状況を伝えるのにテレビで流れてくるのは、帰省するファミリーのインタビューに、渋滞している高速道路の映像はお決まりですよね。
ところで、そういったニュースを伝えるときに『上り方面』とか『下り方面』といった言葉を耳にしたことってありますよね?
その意味は『上り』が東京で『下り』が大阪ってことだと思ってませんか。
それは、半分正解で正確な答えではありません。
今回はそんな、正しい高速道路や鉄道で使われる『上り』『下り』の意味を調べてみたはなしです。
目次
1.高速道路の『上り』『下り』の定義
先も言いましたが、東京へ向かう方が上りと思われがですが、必ずしもそういうわけではありません。
その答えは、高速道路の起点と終点にあります。
その起点へ向かっていく方面が上り、終点へ向かっていく方面が下り、という定義があります。
なので、この高速道路は東京方面に向いてるの『上り』だとは限らないのです。
結局、高速道路によるとしか言えません。
いくつか、全国の代表的な高速道路を例を上げると
高速道路名 | 上り(起点) | 下り(終点) |
道央自動車道 | 函館市 | 稚内市 |
東北自動車道 | 東京都 | 青森市 |
北陸自動車道 | 新潟市 | 米原市 |
東名高速道路 | 東京都 | 小牧市 |
新名神高速道路 | 名古屋市 | 神戸市 |
中国自動車道 | 吹田市 | 下関市 |
九州自動車道 | 北九州市 | 鹿児島市 |
とほんの一例をあげました。
詳しく、他の高速道路も確認したい方は【ウィキペディア(Wikipedia)「日本の高速道路一覧」】を参照して下さい。
また、『上り』『下り』の定義にかんしては、以下のように国土交通省のホームページにも記載されています。
質問
国道の上りと下りの定義、起点と終点の考え方を教えてください。回答
国道の番号の付け方については、現在は基本的に、国道の追加指定ごとに北に位置するものから順に、番号が付けられています。国道の路線を指定する際には、まず、起点と終点が定められます。国道の始まりの地点を「起点」、終わりの地点を「終点」とし、「上り」は起点に向かっていくこと、「下り」はその逆の終点に向かっていくことを言います。
大正時代の国道は、「東京市より○○府県庁所在地○○に達する路線」とされていたため、全ての起点は東京(日本橋につくられた道路元標)でしたが、現在の国道は、路線名(番号)や重要な経過地とともに起点と終点が決められています。
起点と終点の取り方については、道路法第5条第1項に掲げる指定基準の各号で示されている重要都市、人口10万以上の市、特定重要港湾、重要な飛行場または国際観光上重要な地などが「起点」に該当し、それらと連絡する高速自動車国道または道路法第5条第1項第1号に規定する国道が「終点」となるのが一般的な事例です。
なお、国道の起点・終点については、「一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)」によって規定されています。
国道の路線の起点・終点、重要な経過地は、「法令データ提供システム」より検索することで確認できます。
【引用:国土交通省】
2.鉄道の『上り』『下り』の定義
こちらも高速道路と同様に、東京方向が「上り」、東京から離れる方向が「下り」ではありません。
鉄道でも高速道路でも、起点と終点が定められており、原則として起点方向が「上り」、終点方向が「下り」とされています。
原則、都市部と地方を結ぶ鉄道において、『上り』『下り』の表現が用いられます。
『上り』は、おもに都市部の方面に向かう電車のことで、『下り』はその逆方向の地方に向かう電車を指します。
ただし、高速道路が道路ごとに違うように、鉄道にも起点と終点があり、かならず都市部=東京方面とは限らないです。
例えば、東京都と愛知県を結ぶJR中央本線は、名古屋駅が終点とされています。
塩尻駅(長野県塩尻市)を境に西側の区間では、例外的に名古屋行きが「上り」列車として運行されています。
このように、日本は大正時代にインフラが整備され始めた国道は、どの路線も「東京市より○○府県庁所在地○○に達する路線」とされいました。
基準は全路線とも東京の日本橋が起点でした。
しかし、現在の国道は政令に基づいて、各都市間で起点と終点が決められています。
そのため、地方とか経由地の関係から見て、『上り』『下り』を使わず、たとえば『○○方面』にするといった工夫をしている場合がよく見られるようになりました。
なお、東京都心を縦横に走る東京メトロでは「上り」「下り」を使わず、終点方向を「A線」、起点方向を「B線」と呼称しています。
また、東京駅をまたいで運行されているJR京浜東北線では、大宮駅方向を「北行」、大船駅方向を「南行」と呼び区別しています。
まとめ
これまでの話で、『上り』と『下り』の定義はお分かりになりましたよね。
大型連休に入るときは下りが渋滞渋滞とか、Uターンで上りが渋滞なんて言われますが、これでイメージが出来るようになりました。
帰省や旅行で遠出をするときは、少なくとも自分が利用する道路の『上り』と『下り』ぐらいは把握しておいたほうが良いです。
渋滞情報でも、当たり前のように使われる『上り』と『下り』はこの後、自分がどっち方面に行くのか、行動に影響してきますよね。
それが、『上り』と『下り』を間違えたせいで、思わぬ渋滞に捕まってしまえば、きっとその渋滞の最中には最悪な気分になってしまいます。
そうならない為にも、参考にネクスコの「渋滞予想カレンダー」をチェックして出かけると良いですよね。