残業削減、在宅勤務、プレミアムフライデーと、働き方改革を模索する話題がここ数年、よく言われるようになりましたね。
そんな中、働き方改革法案が成立しすべての会社で年間の有給休暇消化日数が5日未満の従業員については、会社が有給休暇を取得するべき日を指定することが義務付けされました。
これをキッカケに、やっと話題に耳にするようになってきた「年次有給休暇」いわゆる有休について調べて見ました。
そして、特に取りづらい新入社員はいつから所得できるのか?
いつから、どれくらい取ることができて、そしてどのように申請すればいいのか?
今回はそんな、年次有休取得のしくみを一般社員でも役に立つはなしです。
目次
新入社員への有給休暇の付与はいつから?【一般的には6か月から】
入社から6ヶ月経たずに有給休暇が所得できるケースもあります!
有給休暇は基本的には、入社して6か月すれば取れます。
さらには、会社によって基準日方式や分割付与によって、6か月未満でも有給休暇をとれるケースもあるみたいです。
ですが、今の日本の情勢において、残念ながら有給休暇を所得する行為に理解が少ない会社が多いのが現状です。
なので、新入社員で有給休暇を取る際には、人事課か先輩社員さんに相談しましょう。
気を付けて欲しいのは、その人たちの状況なども見ながら慎重に相談しましょう。
忙しい時期に相談すると睨まれちゃいますよ。
また、有給休暇以外にも、いろんな種類の休暇があります。
慶弔休暇、産前産後休業、育児休暇、介護休暇など会社よって休暇制度がいろいろ設けれれています。
入社時にいつから取得できるのか確認しておくことがいちばん良い方法かもしれません。
初年度における年次有給休暇の分割付与とは?
あまり知られていないですが入社した年だけ、有給を「分割付与」できる制度があります。
この制度を利用すれば、新入社員でも6ヶ月未満で有給を取得出来るのです。
(分割付与では入社から6カ月経たずに有給が取得可能になる)
この有給の「分割付与制度」、入社6か月経つ前に、法廷上の付与日数10日の一部を前倒しして付与し、その後最初の基準日に、残りの日数を付与するというもの。
これは労働基準法の法定範囲内で、新入社員にも、入社直後であっても有給の取得を可能にするといった、行政解釈で認められた制度なのです。
(分割付与で有給休暇を取る際には必要事項をクリアしないとダメ)
これにより、初年度の年次有給については、分割付与を活用することで、入社から6か月未満であっても有給休暇を取得することができるます。
しかしその際には、前倒して付与した残りの日数は、入社後半年以内に全て付与しなければいけない、2回目の有給休暇は、分割付与した初回の付与日から1年以内に付与するといった、いくつかの細かい取り決めをクリアしていないといけませんので注意が必要です。
公務員には労働基準法は適用されません
公務員には今まで説明してきた、上記の労働基準法は適用されません。
休暇に付いては一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律、人事院規則で1年ごとに一定日数とする事が定められています。
なので、実は採用早々でも休暇申請できます。
公務員には労働基本権の一部しか適用されませんので待遇は法令によって定められています。
一般的には公務員には年間20日間の有給休暇が与えられています。
この有給が新たに与えられる基準日が、国や自治体によって1月1日だったり4月1日だったりします。
この場合、1月1日が基準日の場合、4月1日採用者には月割り計算して15~16日間の休暇が与えられ、4月1日が基準日のところは、20日間与えられます。
そして次の基準日には新たに21日の有給休暇が与えられます。
ですので、4~5月で有給休暇を申請することは全く問題はありません。
ただし4~5月は一般的に新年度で忙しい時期でもありますので、権利だからと言って
使えるかどうかは周りの雰囲気にもよるでしょうね。
そのへんは一般サラリーマンと同じ考え方ですよね。
入社から6ヶ月たたずに有給休暇が所得できるケースもあります!
規模の大きい会社では一律に有給休暇を付与する基準日方式をとっているところもあります。
基準日方式を採用している会社では、入社後6ヶ月未満でも有給が支給されます。
(基準日方式の場合は半年待たなくても有給がもらえる!)
有給休暇の取得は、労働基準法の法律の下決まっていることです。
雇い入れから6か月後に有給を支給しないといけないのですが、企業によっては事務処理の軽減などによって、有給の付与が6か月未満になるケースもあるみたいです。
これは「基準日方式」と呼ばれていて、新入社員でも採用日から半年以内にこの基準日がある場合は、早めに有給休暇を取得出来るといったように、会社によって早く有給が支給される場合もあります。
意外と知らない?有給休暇のしくみと貰える日数
年次有給休暇とは法律で定められた労働者の権利で、正社員、契約社員、パートタイム(※)といった雇用形態にかかわらず、働くすべての人に付与されます。
労働者の立場を守るとともに、働く人に心身の疲労を回復し、英気を養ってもらって、次の仕事にしっかり備えてもらうというのが制度のコンセプト見たいです。
安心して休めるように、労働が免除される期間も給料をしっかり出すことになっており、それゆえ「有給」の「休暇」という名前になっています。
基本的なしくみは以下の通りです。
※パートタイムなどで短時間で勤務する場合は、正社員と比べて年休の付与日数は異なります
〈年次有給休暇の基本的なしくみ〉
- 働き始めて6カ月で年10日間の休みが発生する。新卒者であろうが、転職組であろうが、あくまで入社のタイミングから半年で有休が発生
- その6カ月の期間における出勤率は8割以上を満たす必要がある
- 働き始めて6カ月以降は1年ごとに付与され(その1年の出勤率8割以上を満たすことが条件)、勤続年数が延びるにしたがい日数が増える。最大で勤続6年6カ月の時に年20日間。なおこれは法律で定められた最低限の日数で、会社が独自の制度でそれを上回る日数を設定してよい
- 休みは翌年まで持ち越せる(有効期間は2年間、したがって最大保有日数は40日)
- 休暇中の給料も支払われる
- 有休はいつでも、希望する日数を、どのように使ってもいい
- ただし社員が休むことで会社の業務に支障が出る場合、会社側は社員に有休取得の時期を調整してもらうことができる
マナー違反にならない有給休暇のとり方
新入社員はいつから有給が取れるんだろう?
有給休暇の仕組みと法律はどうなっているんだろう?
といった疑問は解消できましたね。
入社後半年待たなくても有給を取得できるのも、わかりました。
しかし、いくら有給が取れるとはいえ、職場の仕事の都合によっては、社員の希望時期に有給が取れるとは限りません。
仕事が忙しくない時期にずらして取得するなどの調整が必要です。
社会人として一般的なマナーを守った有給休暇申請をしよう。
また、基本的に有給休暇は入社後半年以上働いた人に対してもらえるものです。
有給がいつから取れるのかについて、制度として前倒ししていいと定められているとはいえ、新入社員が入社後すぐに有給休暇を取るのは、他の社員から見てあまりいいイメージには取られないものです。
体調不良など、どうしても休まざるを得ない時のために使うなど、新入社員の有給休暇の使い方にも社会人としてのビジネスマナーという点を忘れてはいけません。
いつからもらえるかばかりに気が向きがちですが、一般的なマナーもおさえておきたいですね。
法的には「1週間休みます」と口頭で伝えるだけでOK!
あくまでも法的な話しです。
有休をいつ何の目的で取得しようが、それは社員の自由になります。
また、会社が社員の有休申請を、意味なくむやみに拒否することは違法になります。
ただし、社員が休むことで業務に支障が出る場合、会社が社員に調整をお願いすることは合法です。
そして有休を取得する手続きについては、特に法律の定めがありません。
極端にいうと、上司に「明日から1週間休みます」と口頭で告げるだけで法的にはOKです。
ただし繁忙期に、全社員から口頭で有休を申請されてもさすがに会社も管理できないので、多くの会社では就業規則で有休に独自のルールを決めています。
業種や職種によって、仕事内容と休みが取りやすい時期は大きく異なるので、会社によってさまざまなルール(●日以上の有休は●日前までに申請するなど)もあります。
この辺は会社の就業規則に合わせて下さい。
また、有休取得で迷ったり、不安だったりすることがあれば、先輩や上司、人事に相談し易い人に聞いてみることをオススメします。
なお「有休の取得事由を会社に報告せよ」という法律はなく、むしろ理由によって有休を認めないのは法律違反なります。
会社に取得目的を伝える必要はなく、会社に申請書を出す場合は「私用のため」という理由で十分です。
もし会社が慣例として細かな事由を求めてきて、それに戸惑うことがあれば、やはりこういった事も先輩などに相談してみるとよいでしょう。
あくまでもお互いに、不利益にならない行為であれば問題にはなりません。
みんなどれくらい有給休暇を取っているの?
有休の基本的なしくみを見て「どうやら自分もその気になれば取れるようだ」と分かったところで、周りの状況を見ると、しっかり取っている人が少ないことに気付きます。
内閣府の資料によると、日本の有休取得率は2014(平成26)年時点で47.6%。
ほぼ100%の一部欧州諸国と比べると5割以下の低水準です。
よそはよそという意見もあるでしょうが、1993(平成5)年の日本は56.1%で、現在よりもまだ良い数字でした。
1993年はバブル崩壊後で、かつ就職氷河期の始まりの年。
以降、働く環境も厳しくなって、有休取得率は徐々に下がり、現在まで46〜49%の間で推移しています。
こういった状況下を立法側もただ手をこまねいているわけではなく、年5日の有休取得を義務化するなどの労働基準法一部改正案が提出されていたりします。
※注)内閣府のH28年調査ーデータは中小企業を含んでいないので、有休取得率の実態はもっと低いと思われる
まとめ
今回は、新入社員がいつから有給休暇がもらえるのか、取得時期について見ていきましたが、いかがでしたか?
大事なのは、相談相手と状況を見極める事です。
間違った人選をすると、「新人のくせにもう有給の相談か!」なんて思われるかも知れません。
体調不良や友人の結婚式などやむを得ない場合があると思います。
新入社員は色々な場面で気を使う事でしょうが、長く務める会社だからこそ、上手に有給制度を利用して有意義なお勤めをしましょう。